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数年前の写真を整理していたら、3年前に映画監督のヴィム・ヴェンダースが出演した映画イベントの写真と当時のレポートがあって、その中で特に気になったのが「なんで昔みたいな大作映画を撮らなくなったのか?」という質疑応答でのやりとりのコト。
このイベントは、監督の代表作をオールナイトで上映するもので、多くの映画ファンが夜の池袋 新文芸座に詰め掛けていた。

監督自身、自分の作品を「死ぬほど眠くなりますよ(笑)」といって(事実ホントに眠くなった)おり、作品ごとの「眠い度数」なんかをネタにしてファンを楽しませたりして。

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その後、監督に直接質問できるコーナーがあって、ファンが思い思いの質問をしてたのだけど、中でも気になったのは、

「監督は最近、大作といわれるような作品を撮ってませんがなぜですか?」

客席聞いてたオイラは回答が難しそうかな?とか思ってたら監督からは明快な回答が帰ってきた。

「大きな作品を作るには、大きなお金が必要です。この大きなお金には大きな『声』がついてきます」

「大きなお金についてくる大きな『声』は私たちから自由を奪います」

「だから私は自由な作品を作ります」

さらに、同じような質問で「フィルムではなくDVカムをなぜ使い始めたのか?」という質問に対しては、

「DVカムの素晴らしいところは、すぐに映画を撮れることです。」

「ある日、友人のライ・クーダーがキューバにレコーディングに行くという話しを聞き、ためしにもらったキューバ音楽のテープをクルマで聴いてたら、すっかり気に入り一晩中ドライブしました(笑)。そしていつキューバに行くのかと電話すると5日後だ、といわれたのでその間に映画撮影の準備をして撮った映画が『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」(1999)※という作品になりました」

※この作品はアカデミー賞にノミネートされ、日本でも大ヒットした。


創作というと、映画を撮る以外にも、写真を撮ったり、絵を描いたり、音楽を奏でたり、文章を書いたりといろいろあるけど、創作にほんとうに必要なのは自由なんだな〜、といつもこの話を思い出しちゃいます。


最後になるけど、ヴィム・ヴェンダースという名前に聞き覚えが無い、特に若い世代の人に簡単に説明すると、「ロードムービーの巨匠」と呼ばれてるんだ。
このジャンルは、主人公がある事情で旅をしていて、その道中に起こるさまざまな出来事を描いていくもので、今のアニメやゲームの物語にも通じてる。



たとえば、代表作の「パリ、テキサス」(1984)の冒頭のシーン。
画面に広がる荒涼とした大地、郷愁感をあおるスライドギター、突如として現れる一人の男。

「カウボーイビバップ」(1998)の作中に大きく影響を受けているほどだったりして。

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